九月だから


というわけではないですが、ずっとさぼっていた日記をぼちぼち更新していきたいと思います。


日に何度も雨が降ったり止んだり、九月に入った途端、天気が劇的。今朝、買ったばかりのサカナクションの新曲をじっくりと聴いてみたのですが、聴き終わってイヤホン外したら怒号のような雨音が耳に飛び込んできて、それまで静かだった窓の外が、一曲聴くあいだにがらっと変わっていたのでびっくりしました。雨が降るのはいいけど部屋の中が夜みたいにどんどん暗くなっていく。サカナクションの曲もまた、雨と夜を背景としていた。


いつもだったら11時もすぎればお昼の催促を始めるショコラさんが、12時をすぎても起きてこないので若干心配になる。あまりに動かないから死んでたらどうしようとか思ったりして、近づいて呼吸をたしかめてみたりした。13時をすぎても眠ったまんま、たまに目を覚ましてもまたすぐ眠るから、痺れを切らして寝ているショコラさんの鼻先にお昼のスナックを近づけてやった。すかさず起きてがつがつ食べてた。ふう。


夕方、休日出勤を終えたたじまくんに会うため都内某駅へ。この駅はまだちょっとよくわからない。なかなか改札にたどり着けない。特に目的もなく入ったタワレコPASSION PITのCDを見つけてラッキー。新しいアルバム出てたの知らなかった。曲数の多い国内盤と迷ったけど、節約を優先して輸入盤を買った。


たじまくんがラジオであらすじを聞いて気になってたという乃波アサっぽい名前だけど乃波アサじゃない、直木賞をとった女性作家の短編集、というのが、さんざ調べた結果結局乃波アサの作品だったので「えー!!」ってなった。きっと山本文緒にちがいないから本屋行って山本文緒の本を漁ろう!ってところまで行ったのはなんだったんだ。


帰りがけにミニクロワッサンを買った。明日の朝食べるんだ。たのしみがあればいつもよりすっきり起きれるような気がする。PASSION PITの新しいやつも、明日聴こう。たのしみ。

それは、まさに祝福じゃないですか。

ただ、どの歌が注目されて人に知られていくかは、作者も選ぶことができないので。選ばれている、みんながよく知っている歌が必ずしも好きな歌ってわけじゃないですよね。この歌は本当は好きじゃないですね。好きじゃなかったから歌集から落とそうとしたんです。でも、誰かに引用されるとか、とり上げられて褒められるって、すごく「選べない」ことなんだよね。だから、そこで他者の判断やその偶然性にチップを張るというのは、けっこう重要なことで、そういう偶然性を排除しちゃうと、新しい地名が全部「ナントカが丘」になっちゃうみたいな現象が起きたり、ペンネームに全部「月」っていう言葉が入ってくるみたいな現象が起きたり、人間の意識の幅ってあまりないんだよね。だから、子供の名付けの話で、出産後に、友だちが初めてお見舞いに来てくれて、その時、友だちがエリカの花を持ってきてくれて、その赤ちゃんが初めて見た花がエリカだったからえりかという名前にしたみたいなエピソードを聞くと、非常に腑に落ちるというか、そういう偶然性ですよね。それは、まさに祝福じゃないですか。そうすると、その子はそのあとエリカの花を見るたびに、自分が祝福されてこの世に生まれてきたっていうことを追認するということになる。人間はやっぱりそういう偶然性に守られないとまずいと思うんです。頭の中で考えたすごくかっこいい名前とかかっこいい地名が、逆に無意味でダサい感じがするのは、その偶然性に対する感度を欠いているからだという気がしますね。だから、表現の場合、どこまでも自己責任の追及というのもある反面、その偶然性に対するオープンマインド感がないといけないから、相反するベクトルが作業の中に要求されるということがある。


穂村弘 山田航『世界中が夕焼け』より

三鷹→阿佐ヶ谷



三鷹駅前のドトールにて外を眺める。雨が降りつづいた夜も明けて、やっと日の光を浴びた町。



窓辺の携帯電話にも。





阿佐ヶ谷へ移動。



けやき並木の大通り、商店街、そして路地。歩くのがたのしい。



また少しずつ重たくなっていく空。



テントのカフェ?ということで見てみたい気持ちはあるも、入らず。



貸本屋って今でもあるのね!と興奮するも、入らず。



枡野書店発見! でもオープンの17時までに大幅な時間があったため、入れず。


         


杉並区にちなんで。



イヤホンで聴くとじんわり響くなあ。何回もリピートしてしまった。


阿佐ヶ谷で降りたのは初めてで、どんな街並みか知らないまま歩き始めたんだけど、ゆったりとした時間の流れるいい街でした。お店も人もそれなりに多いけれど、にぎやかすぎず。静かなんだけどさびしくはなく。けやき並木の緑がすばらしかったです。あと、「よるのひるね」ってどこにあるんだろうねって探しながら歩いていたら、その「よるのひるね」のすぐお隣が、ceroの高城さんがやっている「Roji」であることが発覚して、気になっていた2軒のお店がまさかの隣同士だったとは、思いも寄らなさすぎてしばらく呆然としてしまった。こんなことってあるんだねえ。


合間に飲んだ、世界のkitchenシリーズの「とろけるミルク杏仁 さわやかフルーツ」は子ども時代の夏のおやつの代表「チューペット」をビニールごと齧ったときのあの味がするね、ということで合意。一気にチューペットを齧っていたころのわたしに引き戻されそうで、一瞬くらくらとした。

散歩はたのしい



たった数日間、それも住んでる場所からほど遠くないところに滞在していただけなのに、
最寄り駅に帰ってきたときの「現実に戻ってきたー」感がはんぱなかった。


そして、あらためて、散歩ってたのしいなぁとしみじみ思う。
通りすぎてしまうだけの街も、たくさんあっただろうけど。
"知らない街"が少しずつ"知っている街"になっていくのはすてきなことだね!


ほのかな筋肉痛をだいて、今日は眠ろう。





昼の部。





夜の部。




昼間は(というよりも夕方に近い時間帯であったが)曇っていて、風も強く、せっかくの桜もじっくりと堪能することはできなかったけど、夜は日中よりは風も穏やかで、少し無理して同じ公園に戻ってきてよかったと思った。桜も綺麗だったけど、月も見事だった。満開の桜といっしょに満月も拝めるなんて、貴重すぎる。


たじまくんが、桜って花屋で売ってるんだね、という話をしていて、志村會―フジファブリック志村正彦氏のお別れ会―のことを少し思い出した。桜の花を用意してきていた人がいたなぁって。わたしはどんな花を買って行ったんだっけ。そもそもお花を用意できたんだっけ。どうしてか思い出せなかった。


駅のトイレで一瞬だけ虫除けスプレーのにおいがして、蚊に食われまくった去年の夏のことを思った。




桜の歌ってたくさんありますね。個人的に、今年の桜ソングは宇多田さんの「SAKURAドロップス」だった。
理由はわからないけど、この日、頭のなかを何度もよぎるのはこの曲だった。


改めて聴くと、ドラムロールで曲が始まるんだなあと。今なお新鮮。




先週のこと



3月26日、月曜日。午後からお腹が痛くなってきて、よっぽど上司に断って薬買いに抜け出そうかと思ったほど。でも1、2時間耐えてたら痛みがすーっと凪いでいって、その時の安堵感といったらなかった。薬を飲まずに痛みをやりすごせたことが何だかうれしくもあり。身体のあらゆるパーツが腹部に拍手を贈ったことと思う。しばらく取り組んでたイレギュラーな仕事も、ようやくゴールが見えてきてほっとする。


3月28日、水曜日。夕方から珍しく頭痛。頭痛くなることって滅多にないのに。朝、仕事たるいなあって思いながら席についてたから罰が当たったのかもしれない。せっかく定時であがれたのにもんやりとする。経験が少ないからか、頭痛ってどうしたら治るのかイメージできない。腹痛だったら、これは横になれば落ち着くなとか、これは薬に頼ったほうがいいかもなとか、それなりに見当がつくけど。頭痛って寝てればよくなるものって感じでもなさそうだしなあ……ということで、もんやりさせたまま少しだけ寄り道、手ぬぐい屋さんで買い物した。あまりにも土曜日の雨ふりが続くのが悲しくて、てるてる坊主柄の手ぬぐいを買った。


体調はいつも万全というわけではなかったけど、どんな不調も寝るまでには治まっていた。母が具だくさんの煮物などを夕食に拵えてくれたりして、今日は確実に30品目とったなあ、という日もありました。ありがたいことだね。


         


3月29日、木曜日。仕事後、有楽町のマルイでコート探し。雑誌で見て気になってたコートを試着してみる。予約販売になるとのこと。薄手のノーカラーのトレンチコートで、くったりとしたやわらかい素材だった。着心地は悪くないけど、防寒としてはどうだろう。そしてお値段が……。うーん。即決できず、結局別のお店でテーラードジャケット(今日入荷したんですよ〜の声に乗せられつつ)とカットソーを買った。買ったらなぜかドロップ(缶入り!)をもらえた。わーい。


職場内も電車内も、春物の上着に切り替えた人が増えたなあ、という印象。コートのポケットに文庫本と付箋とiPodとケータイと飴ふたつ、つめ込んで通勤したわたしの冬もそろそろ終わりにしますかね。


電車に乗っていて、毎朝おんなじ広告の前に立ってるなぁってことにはっと気づくときがある。はったあやこ、やまだたかゆき、こにしまなみ。その前の週は、なかまゆきえの禁煙のポスターだったかな。


         


3月30日、金曜日。今のオフィスに勤めるのもこの日で最後。お引っ越しのため資料や私物のパッキングをして、パソコンは持ち帰る。パソコン重い。重いものは軽そうに持ち、軽いものは重そうに持つとエレガントに見えるらしい。でも重いもんは重いよ。母が夕食に作った、鶏肉を塩麹に漬けて蒸し焼きにしたやつがとっても美味しかった。味付けは塩麹のみ。すんごくやわらかかった。塩麹って今流行ってるけど、一時のブームになっちゃうのは勿体ないと思う。定着するといいな。


         


iPodではムーンライダーズばかり聴いてた。聴けば聴くほどしっくり。適当にシャッフルして聴いたりもするけど、選んでたくさん聴いたのは「スイマー」と「Beep Beep Be オーライ」。あとは、ピンポイントでサカナクションの「ホーリーダンス」を、仕事の前や途中、解き放たれたいなって時に聴いた。1回目のサビではホーリーダンス♪って言ってくれなくって、2回目のサビでやっと大サビまでいってくれる、その時の、焦らされた後の最初のホーリーダンス♪が最高に気持ちいい。完全に手玉に取られています。


         


3月31日、土曜日。春の嵐。劇場でポップコーンつまみながら観る映画って最高だね。あと鎌倉パスタで食べたパスタ、おいしかった。カラオケにも行った。27歳の男女が入室していきなりあしだまなちゃんの本人映像クリップ見て歌いもせずにやにやしてるっていうのは傍から見たら一体どんな図だったろうか。前はひとりで歌った歌を今回はふたりで歌ったりもして、じんわりとうれしい。


帰宅して、親に録画してもらっていた世界フィギュアスケートを観る。夜更けまで。これを観ないと冬が終わったとは言えないのだ。しかし泣いた…。村上佳菜子ちゃんのSPで泣き、ペアの高橋成美マーヴィン・トランのメダル確定の瞬間に泣き(実況の人も感極まって泣いてるんだもの)、羽生くんの気迫に満ちたFPでも涙が……。『ヒューゴの不思議な発明』にも泣かされたし、こんなに日に何度も感動泣きできるなんて滅多にあるものではない、おもしろい一日だったな。