手紙とどいたよ


スモちゃんから葉書が届いた。毎回、真っ白な葉書にマスキングテープが貼ってあって、華美じゃないけど印象に残る、受け取ったときにほっこりするような手紙を送ってくれる。それも絶妙なタイミングで。親密さがにじみでたシンプルな文面も、相変わらずうれしい。


わたしはわたしのことをつまらない人間だと思っていて、謙遜じゃなく慰めてほしいわけでもなく、ほんとうになんてつまらないんだと自分を罵ってしまう時があって、だから、のめりこめそうな本やたのしそうな映画を常に追いかけたりしている。でも、そうしておもしろい本や映画に出会えても、自分自身がおもしろい人間になれるわけではなくて、「たのしい時間」が存在するだけなんだ。たのしい時間を通過していくだけで、わたし自身はつまらないまま。


今日、古いつき合いだからとはいえ、何の取柄のない自分にもあたたかい手紙をくれる友だちがいて、泊まりにおいでよって言ってくれる子もいて、お茶しようよって誘ってくれる友だちもいるんだってことを知って、「つまらないつまらない」言ってる場合じゃないなって思った。時間をシェアしてくれる友人たちに対して、もっと思いやりをもちたいし、その時間をもっと豊かなものにしたい。つまらない自分から離れたい。すぐには変われないかもしれないけど、たとえば読んだ本や観た映画の感動を、何らかの形で還元できるくらいの人にはなりたい。そんなことを思った。