ベートーヴェン:悲愴・月光・熱情

ベートーベンの「熱情」を聴きながらマニキュアを塗る。早く早く、穏やかな第二楽章が終わらないうちにぜんぶ塗ってしまうんだ。そう思っていても、激動の第三楽章は容赦なくやってくるのでした。


思えば思春期のころ、ピアノはずっと身近にあった。言葉に表せないような喜怒哀楽を、わたしはピアノの前で解放できていたんだ。ただただ受け入れてもらっていた。はね返ってくる音があった。きっと情緒的にたくさん救われてきた。


         


人がいっときに抱えられる気持ちの数っていくつくらいなのだろう。例えば、10気持ちがあったとして、言葉にできるのはそのうちのほんの3〜4、実際に誰かに伝えられるのは1つくらいなのではないか。ふと、そんなことを思う。